野生のゴリラが暮らしているのは赤道直下のアフリカのみである。では、日本でゴリラに会える場所はあるのだろうか?
結論から言えば、日本でゴリラに会える場所はある。しかしその数は少なく、全国で6つの動物園しかない。
日本には20頭のニシゴリラしかいない!
日本の動物園で会えるゴリラは全てニシゴリラである。
現在ゴリラはニシローランドゴリラ、クロスリバーゴリラ、マウンテンゴリラ、ヒガシローランドゴリラの4種類に分けられるが、その中のニシローランドゴリラとクロスリバーゴリラがニシゴリラだ。
おそらく日本のゴリラは全てニシローランドゴリラだが、クロスリバーゴリラがニシローランドゴリラの亜種であると認められたのは最近であるため、ゴリラの種類をニシローランドゴリラではなく「ニシゴリラ」としている動物園も多い。
そんなわけで、日本にいるゴリラは全てニシゴリラだ。
そして日本でゴリラに会える動物園は以下の6つのみである(2020年9月時点)。
- 上野動物園
- 東山動物園
- 千葉市動物園
- 浜松動物園
- 日本モンキーセンター
- 京都市動物園
ゴリラに会える日本の動物園
ゴリラがいる日本の動物園の情報と、そこで会えるゴリラたちの簡単な情報をまとめてみた。
上野動物園
住 所:東京都台東区上野公園9-83
アクセス:JR上野駅「公園口」から徒歩5分
電話番号:03-3828-5171
開園時間:9時30分~17時
休園日 :月曜日、年末年始
上野動物園はゴリラのいる日本の動物園で一番ゴリラの数が多い動物園だ。ゴリラ同士の触れ合いも頻繁に観察できるため、日本の動物園の中でもゴリラの生態や関係性がよく楽しめるだろう。
ピーコ(♀)
1970年生まれ。出身地はアフリカで、上野動物園には広島市安佐動物公園からやってきた。
(※引用: ニシゴリラ「ピーコ」の近況)
トト(♀)
1978年生まれ。出身地はアフリカで、上野動物園には静岡市日本平動物園からやってきた。
(引用:上野動物園のゴリラ「トト」さんです!)
ハオコ(♂)
1993年8月21日生まれ。出身地はオランダで、上野動物園にはタロンガ動物園からやってきた。東山動物園のイケメンゴリラ「シャバーニ」のお兄さん。
(※引用:静かに時が流れる、ハオコ、モモコ、コモモ、モモカのファミリー)
モモコ(♀)
1983年8月3日生まれ。出身地はオランダで、上野動物園には千葉市動物園からやってきた。
(※引用:ニシゴリラの「モモコ」が妊娠しました!)
コモモ(♀)
2009年11月14日生まれ。出身地は上野動物園で、母モモコと父ハオコの娘。
(※引用:静かに時が流れる、ハオコ、モモコ、コモモ、モモカのファミリー)
モモカ
2013年4月24日生まれ。出身地は上野動物園で、母モモコ、父ハオコの娘。日本で初めて群れの中で生まれたゴリラである。
(※引用:モモカワールド!上野動物園2017/7/1-2(2))
リキ(♂)
2017年10月9日生まれ。出身は上野動物園で、母モモコ、父ハオコの息子。
(※引用:僕はゴリラの赤ちゃんリキ。シャンシャンの観覧はたったの2分だけど、僕ならたっぷり見れますよ~(上野動物園))
東山動物園
住 所:名古屋市千種区東山元町3-70
アクセス:地下鉄東山線「東山公園3番出口」から徒歩3分
電話番号:052-782-2111
開園時間:9時~16時50分
休園日 :月曜日、年末年始
上野動物園に次いでゴリラの数が多い東山動物園。野生での行動を見られるようにロープやタワーデッキなどが設置されている。国内ではあまりお目にかかれないコドモゴリラを見られる点も魅力のひとつである。
ネネ(♀)
1972年生まれ。出身はカメルーンで、かなり頑固者。どこかコシノ三姉妹のミチコさんに似ている…(右)。
(※引用:東山ゴリラ一家⑤ 「親子/ネネとキヨマサ」)
シャバーニ(♂)
1996年10月20日生まれ。出身はオランダで、アーベンヒュール霊長公園からオーストラリアのタロンガ動物園を経て東山動物園にやってきた。イケメンゴリラとして一躍有名になったゴリラ。
(※引用:日本女性を虜にしたイケメン筋骨隆々ゴリラ、シャバーニ氏が世界女性を魅了中)
アイ(♀)
2003年2月27日生まれ。出身は東山動物園で、食に対してかなり貪欲。
(※引用:ニシローランドゴリラのアイ(12歳)の誕生会を開催します)
キヨマサ(♂)
2012年1月11日生まれ。出身は東山動物園で、母ネネ、父シャバーニの息子。
(※引用:ゴリラ近況 キヨマサ誕生日おめでとう!の章)
アニー(♀)
2013年6月2日生まれ。出身は東山動物園で、母アイ、父シャバーニの娘。いい家顔だ。
(※引用:ゴリラ近況 祝アニー1歳の章)
千葉市動物園
住 所:千葉県千葉市若葉区源町280番地
アクセス:千葉都市モノレール「動物公園」から徒歩1
電話番号:043-252-1111
開園時間:9時30分~16時30分
休園日 :水曜日、年末年始
ローラとモンタ、2匹のゴリラに会える千葉市動物園。今後、森林ゾーンとして新たなゴリラ舎を作る計画がある。
ローラ(♀)
1977年9月21日生まれ。出身は別府ラクテンチで、口笛を吹ける。
(※引用:続々・動物園ありマス。)
モンタ(♂)
1984年9月25日生まれ。出身はスペインで、若くて背の高い女性が好み。
(※引用:続々・動物園ありマス。)
浜松市動物園
住 所:静岡県浜松市西区舘山寺町199
アクセス:浜松駅北口からバス「30 舘山寺温泉」→バス停「動物園」へ、そこから徒歩2分
電話番号:053-487-1122
開園時間:9時30分~16時30分
休園日 :年末年始のみ
オスゴリラのショウがいる浜松市動物園。施設内に畑が作ってあり、ショウが自ら収穫して野菜を食べることもある。
ショウ(♂)
1976年生まれで出身はアフリカ。目の上を掻くクセのせいでできたコブが特徴的で視界を狭めてしまっているようだが、現在は獣医と相談の上経過観察中とのこと。
(※引用:ゴリラのショウくん)
こちらの浜松市動物園のブログでショウの様子が分かるが、あまり更新頻度は高くない。
コブの様子がよく分かる。少し心配になってしまうな…
日本モンキーセンター
住 所:愛知県犬山市犬山官林26番地
アクセス:犬山駅東口から岐阜バス「リトルワールド・モンキーパーク線」へ、そこから徒歩5分
電話番号:0568-61-2327
開園時間:3月~10月→10時~17時、11月~2月→10時~16時
休園日 :公式サイト参照
立派な腕毛を持つタロウに会える日本モンキーセンター。こちらもタロウが自由に収穫して食べれらる畑を用意してあるが、タロウは畑の畝(うね)を枕にして寝ることも多い。
タロウ(♂)
1989年4月13日生まれ。出身はドイツで、ニュルンベルク動物園やロングリート動物園などを経てモンキーセンターへやってきた。四つん這いになるポーズが特徴的。
(※引用:タロウ45歳の誕生日!)
こちらのブログでタロウの様子を定期的に見ることができる。更新頻度はなかなか高いので楽しめるはずだ。
京都市動物園
住 所:京都市左京区岡崎法勝寺町 岡崎公園内
アクセス:JR近鉄京都駅から市バスで「岡崎公園 動物園前」へ、そこから徒歩2分
電話番号:075-771-0210
開園時間:3月~11月→9時~17時、12月~2月→9時~16時30分
休園日 :月曜日、年末年始
モモタロウ、ゲンキ、ゲンタロウ、キンタロウの4匹家族がいる京都市動物園。ここではゴリラが「モニターに映った数字を順番に押していく」という学習をしている様子を見ることができる。
モモタロウ(♂)
2000年7月3日生まれ。出身は恩賜上野動物園で、キレイ好きで子煩悩。
(※引用:花よりゴリラ&モモタロウのお勉強 京都市動物園2017/4/8)
ゲンキ(♀)
1986年6月24日生まれ。出身は京都動物園で、食べることが大好き。
(※引用:ゲンキさんのお誕生日だったのですよ 京都市動物園2017/6/24)
ゲンタロウ(♂)
2011年12月21日生まれ。出身は京都市動物園で、母ゲンキ、父モモタロウの息子。日本初の第4世代ゴリラ。
(※引用:父さん大好きゲンタロウ 京都市動物園2017/4/9)
キンタロウ(♂)
2018年12月19日生まれ。出身は京都市動物園で、母ゲンキ、父キンタロウの息子。要領がよく賢い。
(※引用:ゲンタロウとキンタロウ)
ゴリラがいる日本の動物園の中で一番ボリュームがあるのはこの京都動物園のブログだ。更新頻度も高いので定期的にチェックすると楽しめると思う。
日本はなぜゴリラがいる動物園は少ないのか
日本でゴリラに会える動物園は以上の6か所のみ。しかも、日本にいるゴリラは全て合わせても20頭だけだ。一番のピークだった50頭からずっと減少の一途を辿っている。
なぜここまで少ないのか?
資金面でも難しい点はあるが、一番の問題は「日本である」というところにある。
現在、野生のゴリラ数の減少とジュネーブ条約によって野生の新たなゴリラを新たに日本に招くことが難しくなってしまった。
こういう状況になった今、日本のゴリラを増やすためには他国の動物園からゴリラを招き繁殖させる(BL=ブリーディングローン)しかないが、日本でゴリラの繁殖が叶った例はかなり少ないのだ。
それゆえに、日本の動物園にはどの国もゴリラを預けようとはしてくれない。繁殖ができる見込みのない国にゴリラを預けるほど、他国はお人好しではない。
日本にいるゴリラはすでに20頭しかいない。しかもこのまま動物園内でのゴリラの繁殖が進まないままでは、いずれ日本からゴリラはいなくなってしまう。
私たちになにができるのだろう。